こんにちは!合戦コンサルタントの孫市です。
さて、チャンバラで全国各地のお城へお邪魔させていただいておることもあり、最近では城郭(じょうかく)マニアを目指して、城の探求をしております。
城には、人それぞれ色々な楽しみ方があります。
今回は、城の持つ機能を、日本の城と西洋の城を比較してその魅力に迫りたいと思います。
- 目次 -
日本・西洋の城、世界の城に共通する役割
世界の城に共通して、3つの役割があります。
①守り(要塞)
②政治の場
③住まい(御殿・宮殿)
この中でも、①守り(要塞)の観点で、日本と西洋の城を比較してみたいと思います。
(補足)
- 時代は?
- 日本は、戦国時代後半〜江戸時代。西洋は、中世から近世の城を見ていきます。
世界で共通する防衛機能
皆さん、こんな穴、城で見たことありませんか?
これは、『狭間(さま)』と呼ばれ、鉄砲や弓で攻撃するための穴になります。
姫路城には約3,000もの狭間があります。
3,000ってすごいセキュリティですよね。3,000もの見えない攻撃ラインがあるわけです。
今で言えば、スパイ映画で出てくる、レーザーセンサー的なものです。
(Photo By : 超密室レーザートラップ)
またこういった、石垣の上に床を張り出すように設けられた部分をご存知でしょうか。
(松本城の写真 Photo By : 松本市の歴史を感じるもの )
こちら、『石落とし』と呼ばれ、石垣をよじ登ってくる敵に対して、石や熱湯を投下させて撃退するために設けられています。
中から見ると、このような感じ。(意外に狭くて当てるの難しいかもしれませんね)
実際には、ここからウンコや尿を落とすこともあったようです。笑
では、西洋の城にも、こんな機能があるのでしょうか。見ていきたいと思います。
至るところに切れ込みが入っているのが入っているのが分かりますでしょうか。
印つけますと
姫路城と同じく、なんとこの隙間から矢などを放ったようです。(いや、せまっ!!!)
こちらもカルカソンヌにある石落としです。(これはほぼ日本と同じ)
狭間、石落としといった敵を撃退する防衛の機能は、共通してあるようです。
日本・西洋で異なる防衛機能
さて、次は城の外側にある防衛ラインを見ていきたいと思います。日本の城はこちら。(姫路城)
(Photo By : 旅行予約サイト”たびらい”)
そう、堀です。
この堀で、敵や動物の侵入を防いでいたのです。
姫路城では、城下町を守るために、3重もの堀がありました。
一方、西洋の城はどうでしょうか。
(Photo By : Ekaterina Yoghurt)
堀はなく、この垂直の高い壁です!
こちら、イギリスのコンウィ城。
「ラピュタ」でシータが捕らわれたお城のモデルにもなっていると言われています。
そして、こちらもあるアニメのモデル城下町
進撃の巨人です!
フランスのカルカソンヌという要塞都市です。
こちらも外側は堀ではなく、高い壁になっています。西洋では古くから高い壁が造られいました。
この西洋の高い壁と、日本の堀。防衛の手法がなぜ異なっているのでしょうか・・・?
日本は、地震や水害などの天災から守るためだと言われています。
一方、西洋は、地震や水害が少ないため、高い壁ができたようです。
ちなみに、「城」という漢字は、「土」から「成」るとなっています。
日本の石垣は、石の前は土で壁を作っていました。
土を掘って堀をつくり、その土で壁を作る。
すごく合理的に考え、城が造られていることがわかります。
まとめ
このように、お城には、そのできた時代や地域によって、構造が異なります。
皆さんが城を観光する際には、このお城がいつの時代に、どういう背景で作られたのか、そんなことを思って見ていただけると城の深みや面白さがぐっと上がるかもしれません。
掘、狭間、石落としなども、是非見ていってください。