チームビルディング研修に「チャンバラ合戦」!戦国時代の知恵を現代に活用

2025.08.01

現代のビジネスシーンにおいて、チームワークやリーダーシップは欠かせない要素です。そんななか注目を集めているのが、ユニークな研修「チャンバラ合戦」です。「合戦」を通じて、楽しみながら協力し合う体験は、チームビルディングを行うのに適切であるため、多くの企業・団体に取り入れられています

本記事では、「チームビルディング」「チャンバラ合戦」の概要、研修にチャンバラ合戦を取り入れて得られる3つのメリット、チャンバラ合戦を活用したチームビルティング研修の実例5選、研修でチャンバラ合戦を実施する流れ、チャンバラ合戦を活用した研修を成功させる3つのポイントについて解説します。

「チームビルディング」とは

「チームビルディング」とは、直訳すればチームを構築するという意味です。しかし、現代のビジネスにおける「チームビルディング」とは、単にチームをつくることではありません。チームの1人ひとりが能力を発揮し、全員が力をあわせて目標を達成できるような強い組織をつくることを目的としています

現在のビジネスにおいて、チームビルディングは不可欠です。社会の激しい変化に対応して事業を成功させるには、メンバー同士の密なコミュニケーションが欠かせません。また現代の企業は多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されているため、お互いの価値観を理解し、協力しあえる関係性の構築が必要となっています。

「チャンバラ合戦」とは

「チャンバラ合戦」とは、スポンジ製の安全な「刀」を持ち、反対の腕に「命」と呼ばれるカラーボールを装着して戦う体験型アクティビティです。刀で相手の「命」を狙い、自身の「命」を守りながら戦います。基本的にチーム対抗戦で、最後まで生き残ったチームが勝利となります。

使用する道具は安全性に配慮されており、運動神経のよさや体格だけに左右されず、誰でも安心して参加できるのが特徴です。

戦は主に以下の3種類ですが、目的や狙いに応じて独自のルールを設けたり、オリジナルストーリーに従って進行することができます。

  • 全滅戦:相手チームの命を全て落とす、または制限時間終了後残っていた命が多いチームが勝ち
  • 大将戦:相手チームの大将の命を全て落とせば勝ち
  • 最強の侍決定戦:チーム関係なく全員が敵!最後まで命が残っていた人が勝ち

 

チャンバラ合戦は、「軍議」と呼ばれる作戦会議を行い、戦略を立てて戦います。そのためコミュニケーション能力や連携力が養われます。社員研修や学校行事、地域イベントなど、さまざまな場面で活用されています。

チャンバラ合戦がチームビルディング研修におすすめな理由

チームビルディングの重要性が高まっている現在、社員研修においても、従来の座学・講義型に加え、「体験型プログラム」が注目されています。体験型プログラムは、受講者が主体的に動き、互いに協力して課題を解決する研修です。

特にチームで取り組むアクティビティは、リーダーシップや協調性を体感的に学べ、受講者間の関係性を深める効果があります

チャンバラ合戦は、楽しみながらチームビルディングを実現できるため、研修におすすめです。信頼や連携の力を育み、本業に活かすことができます。

研修にチャンバラ合戦を取り入れる3つのメリット

ここでは、研修にチャンバラ合戦を取り入れるメリットを3つ紹介します。

1.コミュニケーションを活性化できる

チャンバラ合戦は、受講者同士が声をかけ合い、戦略を練りながら協力するアクティビティです。自然と会話が生まれ、上下関係や部署の垣根を超えてコミュニケーションが活性化します。初対面同士や新入社員研修ではアイスブレイクとして高い効果を発揮し、よく知っている同士でも仕事中は見ることのできない一面を見ることができます。

2.チームワークやリーダーシップが養われる

チャンバラ合戦では、役割分担や情報共有が求められます。誰が前線に出るのか、誰が守りに徹するのか、どのタイミングで攻めるのかなどの戦略を立てて戦います。そのなかで、チームワークやリーダーシップなど組織で求められるスキルが養われます。

3.受講者の判断力を強化できる

チャンバラ合戦では、戦況が常に変化します。事前の話し合いとは異なる状況になっても、勝利のために即座に判断したり、柔軟に対応することが求められます。チャンバラ合戦を通じて、受講者は変化に対応する力や、情報をもとに行動を最適化する力を鍛えることができます。

チャンバラ合戦を活用したチームビルディング研修の実例5選

ここでは、実際にチャンバラ合戦を活用したチームビルディング研修の実例5選を紹介します。

1.ロート製薬株式会社│新入社員研修

ロート製薬株式会社では、2024年の新入社員研修にチャンバラ合戦を導入しました。入社後の研修がスタートする前の、身体を使ってコミュニケーションができるアイスブレイクとして、チャンバラ合戦を利用しました。

当日、受講者は2つのチームにわかれて戦いました。それぞれのチームで「軍議」と呼ばれる作戦会議を行い、戦略的に行動しました。参加者は笑顔と真剣な表情を行き来させながら、互いに声を掛け合い、自然と連携を深めていきました。

研修後には「多くの同期とコミュニケーションをとれた」「作戦会議で意見をすり合わせ、さまざまな意見を聞くことの重要性を学んだ」といった感想が寄せられました。コミュニケーションの活性化やチーム意識の向上に大きな効果があったことが伺えます。

体を動かしながら学べるこのプログラムは、座学だけでは得られない学びを提供し、新入社員の成長を後押しする場となりました。

研修概要

  • 企業名:ロート製薬株式会社
  • 研修実施日:2024年4月2日(火)
  • 研修目的:新入社員様向け研修のアイスブレイク

 

参照:ロート製薬株式会社様の新入社員研修で「チャンバラ合戦」を実施いただきました! | 大人も子供も楽しめるイベント|チャンバラ合戦

2.某企業労働組合様│組合員向け研修

某企業労働組合様では、研修として話題のフレームワーク「OODA LOOP」が学べる「OODAチャンバラ合戦」を開催しました。

OODA LOOPとは、意思決定のプロセスを「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」の4つにわけて考えるフレームワークです。競争に勝利する手法として注目を集めています。

研修では最初に「OODA LOOPとは何か」について講義を行い、その後チャンバラ合戦で体感的に学びました。通常のチャンバラ合戦と異なり、各軍に5枚ずつ振り分けた小判を奪い合い、多く集めた軍が勝利というルールです。

また、OODAチャンバラ合戦は1人ひとりに役割があり、その役割に沿った能力を使えます。軍の意思決定ができる「侍大将」、城壁を設置できる「築城兵」、一撃必殺の手裏剣を使える「手裏剣兵」など、戦国時代を彷彿とさせるものです。

軍議と呼ばれる作戦会議でしっかりと作戦を考えながら、OODA LOOPの思考法を活用して軍がうまく動けるように改善を加えました。

受講者からは、今までと違う研修でよかった、OODA LOOPについては次の企画に取り入れたい、日頃も意識できる内容で実践しやすかった、などの声が聞かれました。

研修概要

  • 企業名:金融関連企業の労働組合
  • 研修実施日:2023年6月17日(土)
  • 研修目的:組合員向け研修

 

参照:某企業労働組合様に「OODAチャンバラ合戦」を実施いただきました! | 大人も子供も楽しめるイベント|チャンバラ合戦

3.京都府商工会議所青年部連合会様│若手経営者向け研修

京都府商工会議所青年部連合会では、若手経営者に学びの場を提供するために研修を行っています。今までに実施したことのない研修をしたいという意図で「OODAチャンバラ合戦」を開催しました。

まずは通常のチャンバラ合戦に慣れるところからスタートしました。最初は硬い雰囲気だった受講者も、一度合戦を体験すると積極的になりました。

続いて「OODAチャンバラ合戦」に移ります。この研修では、盾を持って相手の攻撃を防ぐことができる「盾兵」、フィールドに設置された川を飛び越えることができる「忍者」などの役割を設定しました。

合戦中、何が起こっているのかを正確に把握し、今後どんなことが起こるのかを想像しながら最適な行動をやり切ります。これがOODA LOOPを体感的に学ぶ経験になりました。受講者は、状況把握に時間をとられていましたが、回数を重ねるごとにさまざまな作戦を実行できるようになりました。

研修後受講者からは、深い戦略を練ることができた、すぐに修正し次の行動に活かす重要性が学べた、などOODA LOOPのポイントについて身につけられたとの声があがりました。

研修概要

  • 企業名:京都府商工会議所青年部連合会
  • 研修実施日:2023年11月4日(土)
  • 研修目的:若手経営者様へ学びの場を提供する研修

 

参照:京都府商工会議所青年部連合会様に「OODAチャンバラ合戦」を実施いただきました! | 大人も子供も楽しめるイベント|チャンバラ合戦

4.トレンダーズ株式会社様│合宿でのチームビルディング研修

トレンダーズ株式会社は、マーケティングPR事業やメディア事業などを手がけている会社です。社内研修イベントとして、2018年の5月には「段ボール城チャンバラ合戦」、2019年5月には「忍者合戦」を実施しました。

「段ボール城チャンバラ合戦」とは、段ボールを城に見立てて、築城をしながらチャンバラ合戦で戦うアクティビティです。チーム別に、ルールに沿った城をつくってから合戦を行いました。段ボール城があることで、戦略がより複雑になり、軍議の重要性が高まります。また、時間内に築城するためには共同作業が必要となるため、自然と受講者同士のコミュニケーションの機会が増えました。

「忍者合戦」は、チャンバラ合戦に忍者の要素を取り入れたアクティビティです。

研修担当者は、受講者の仕事中と異なる面が見られて発見があったことや、人間関係にいい影響を与えたこと、人間関係が良好になったなどの変化について評価をしていました。

研修概要

  • 企業名:トレンダーズ株式会社
  • 研修実施日:2018年5月、2019年5月
  • 研修目的:研修合宿でのチームビルディング研修

 

参照:ダンボール城でチャンバラ合戦!トレンダーズ様の事例紹介&インタビュー | 大人も子供も楽しめるイベント|チャンバラ合戦

5.株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)様│内定者研修

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)は、人材関連業を展開しています。内定者研修において、チャンバラ合戦を活用しました。こちらは、PDCAサイクルについても学ぶことができる研修となりました。

自己紹介ではぎこちなかった受講者でしたが、軍議では活発な議論が展開されていました。

実際に合戦が始まると、皆が夢中で参加しました。勝敗に一喜一憂しながら、軍議で「何が悪かったのか?」「どうしたらいいのか」と考えて次の「行動」に結びつけることで、PDCAサイクルを体感しました。研修後半には、各チームの足並みが揃い、独自の作戦やアイディアが次々に生まれました。

合戦を通じて、リーダーシップや柔軟な対応力が引き出され、実践的な学びにつながりました。

研修概要

  • 企業名:株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)
  • 研修実施日:非公開
  • 研修目的:内定者研修

 

参照:チャンバラチームビルディング!?インテリジェンス内定者研修の巻 | 大人も子供も楽しめるイベント|チャンバラ合戦

研修でチャンバラ合戦を実施する流れ

ここでは、研修でチャンバラ合戦を実施する流れを解説します。

1.ゴールを明確にする

まずは研修のゴールを決めます。「なぜチャンバラ合戦を研修に取り入れるのか」を明確にしましょう。

  • コミュニケーションの促進
  • リーダーシップの向上
  • 新入社員同士の関係構築

 

目的に応じて、ゲーム設計や振り返り方法も変わります。

2.株式会社IKUSAに問い合わせる

チャンバラ合戦を運営している株式会社IKUSAに問い合わせをします。研修の目的や概要、やってみたいことなどをまとめて担当者に伝えましょう。

3.実施日と会場を決める

次にチャンバラ合戦の実施日を決めます。また会場も決め、予約をしましょう。自分たちで会場を探すのが難しい場合は、IKUSAに依頼することもできます。

会場は、安全面や天候対策、アクセスのよさなどを考慮します。以下のような場所がおすすめです。

  • 体育館
  • レンタルスペース、貸しホール、貸会議室
  • ホテルの宴会場

4.プログラムを決める

続いて、ゲームの回数や内容、振り返りの時間を決めます。IKUSAの担当者とも相談しながら進めましょう。

プログラムの例

時間

内容

10:00〜

開会・準備体操

10:15〜

ルール説明・装備配布

10:30〜

合戦開始(全滅戦2回、大将戦2回、最強の侍決定戦1回)

12:00〜

振り返り

12:10〜

表彰・写真撮影・終了

 

5.当日の準備をする

研修当日に向けて、細々とした準備をしましょう。備品やMC・運営スタッフはIKUSA側で準備してくれます。IKUSAの担当者に、自分たちで手配が必要な範囲を確認しましょう。

IKUSA側で準備する物:

  • スポンジ製の刀
  • 命、命を装着するバンド
  • チームわけのビブス
  • 会場装飾用の旗
  • 音響設備

6.受講者に告知する

続いて受講者に告知をします。普段連絡用に用いているメールや社内掲示板などを活用しましょう。当日は動きやすい服や靴、タオルや水分を持参するように伝えましょう。

7.当日の運営と進行をする

いよいよ研修当日です。当日の運営は基本的にIKUSAに任せることができます。研修担当者は、最初に設定した目的を受講者が達成できるように、客観的な視点で指示を出しましょう

また、受講者が研修に夢中になれば、それぞれのいい面や改善するべき面が見えやすくなります。皆が楽しめる雰囲気をつくりましょう。

8.終了後に振り返りをする

研修の成果を最大化するため、必ず振り返りの時間を設けましょう。目的が達成できたか、できなかったのであれば何を改善すればいいかを考え、議事録に残し、今後に活かします

受講者にもアンケートを取り、感想や改善点、学んだことなどを回答してもらいましょう。

チャンバラ合戦を活用した研修を成功させる3つのポイント

ここでは、チャンバラ合戦を活用した研修を成功させるポイントを3つ紹介します。

1.事前のチーム編成を工夫する

研修におけるチーム編成は、職場内の人間関係を深めるために重要です。普段あまり関わりのない部署同士を混ぜたり、新人とベテランを同じチームにしたりすることで、新たなコミュニケーションが生まれやすくなります。

2.ファシリテーターを置く

研修では、受講者を導くファシリテーターが重要ですが、チャンバラ合戦においても同様です。作戦に沿った行動ができているか、ルールに従わない受講者がいないかなど、冷静かつ親しみやすく指摘ができるファシリテーターを置きましょう。IKUSAからはファシリテートに慣れた「軍師」を派遣してもらえます。

3.振り返りで学びを定着させる

チャンバラ合戦を単なる「楽しいアクティビティ」で終わらせないためには、研修後の振り返りが重要です。どのような行動がチームに貢献したか、どのような気づきがあったかを個人・チーム単位で共有し、現場でどう活かすかを言語化することで、研修の学びがより深まります。

まとめ

研修においてチームビルディングが欠かせなくなっている現在「チャンバラ合戦」は注目の研修です。リーダーシップや協調性を体感的に学べ、受講者間の関係性を深められるため、多くの企業・団体が研修に取り入れています。

この記事を参考に、研修でチャンバラ合戦を実施してみてはいかがでしょうか。

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