関西には、戦国時代の英雄・豊臣秀吉や織田信長ゆかりの地が数多く残されています。天下統一を目指した武将たちをテーマにした祭りやイベントも各地で開催されているため、歴史ファンはもちろん、家族連れや友人同士で訪れてみてはいかがでしょうか。
本記事では、2025年に関西で開催される戦国イベントを【これから開催】【過去開催済】にわけて紹介します。
※2025年7月時点での情報です
【これから開催】2025年関西の戦国イベント3選
ここでは、2025年に関西でこれから開催予定の戦国イベント3選を紹介します。
※2025年7月時点での情報です
1.【大阪】大阪・お城フェス2025
「大阪・お城フェス2025」は、大阪駅・梅田駅北側の再開発エリア「グランフロント大阪」で開催されるイベントです。全国各地の城郭の魅力に迫る内容で、2025年は4回目の開催となります。
イベントの目玉は、城に関するフォーラム・セミナーです。
催し | 内容 |
8月9日(土)13:00~14:30 フォーラム①「三好・松永の城」 | 「戦国最初の天下人」と言われる三好長慶の城と、長慶の死後、畿内で勢力を振るった長慶の重臣・松永久秀の城をとりあげます。城の構造や特徴、彼らの権力の持つ特質、室町幕府との関係、織田信長政権との関係などについても考えます。 出演者:中西裕樹(京都先端科学大学全学共通教育機構特任准教授)、天野忠幸(天理大学人文学部歴史文化学科教授)、李聖子(大東市産業・文化部生涯学習課) 進行:北川央(九度山・真田ミュージアム名誉館長) チケット:1,000円 |
8月10日(日)15:00~16:30 フォーラム②「秀吉の城」 | 本能寺の変の後、豊臣秀吉が築いた妙顕寺城・山崎城・大坂城・聚楽第・伏見城・京都新城をとりあげ、それぞれの城郭が築かれた意味や構造上の特徴、信長の城との比較、城下町などについて考えます。 出演者:千田嘉博(名古屋市立大学高等教育院教授/奈良大学特別教授)、福島克彦(大山崎町歴史資料館館長)、中西裕樹(京都先端科学大学全学共通教育機構特任准教授) 進行:北川央(九度山・真田ミュージアム名誉館長) チケット:1,000円 |
8月10日(日)11:30~13:00 セミナー「天主誕生」 | 織田信長が築いた安土城は、日本で初めて天主が設けられたとされています。しかしその前にも天主はつくられていました。この講演では、成立期の天主についてや安土城天主の位置づけ、鯱瓦の創造、大坂城天守への変化などを軸に、天主誕生の謎を読み解きます。 出演者:千田嘉博(名古屋市立大学高等教育院教授/奈良大学特別教授) チケット:1,000円 |
他にも各地のお城PRブースの出展、お城クイズラリー、プラモデルなどのお城グッズ販売などが行われる予定です。
入場料は、当日券が大人1,600円、中高生が1,000円。前売券が大人1,400円、中高生800円。小学生以下は無料となっています。
イベント概要
- イベント名:大阪・お城フェス2025
- 開催地:大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館B2 ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
- 開催予定日:2025年8月9日(土)〜10日(日)
2.【大阪】大阪城天守閣 特別展 「天下一統~大阪城天守閣名品選~」
「天下一統~大阪城天守閣名品選~」は、大阪城天守閣の展示室で行われる特別展です。大阪城は豊臣秀吉によって築城され、現在の天守は1931年に再建されました。
特別展では、豊臣秀吉が成し遂げた天下統一をテーマに、大阪城天守閣が所蔵する約1万点のコレクションから、厳選された名品が並びます。目玉は重要文化財である「大坂夏の陣図屏風」です。戦国の争乱の時代から大阪城の落城まで、数々の歴史的資料によって激動の歴史を感じられるでしょう。
入館料は大人1,200円、大学生・高校生600円(要証明)で、中学生以下・大阪市在住65歳以上の方(要証明)・障がい者手帳を持参した方は無料となります。
イベント概要
- イベント名:大阪城天守閣 特別展 「天下一統~大阪城天守閣名品選~」
- 開催地:大阪府大阪市中央区大阪城1-1 大阪城天守閣3・4階展示室
- 開催予定日:2025年8月9日(土)~10月13日(月・祝)
3.【兵庫】丹波かいばら織田まつり
「丹波かいばら織田まつり」は、兵庫県丹波市柏原町で毎年開催されている祭りです。柏原藩は、織田信長の弟・信包によって立藩されました。また柏原には織田信長を祀る建勲神社があり、明治13年に織田家の宝物展と武者行列が行われるようになりました。
祭りでは、盛大な武者行列が行われ、織田信包や茶々・初・江の浅井三姉妹から、足軽・雑兵、大人・子どもの武者役まで、約100名が参加します。織田家の末裔である第18代目・織田信孝氏も参加しています。
また、同時に開催される「うまいもんフェスタ」では、丹波黒大豆の枝豆や丹波栗、地元の人気飲食店など、丹波ならではのグルメを満喫できる屋台が並びます。
イベント概要
- イベント名:丹波かいばら織田まつり
- 開催地:兵庫県丹波市柏原町柏原683 柏原陣屋跡 他
- 開催予定日:2025年10月19日(日)
【過去開催済み】2025年関西の戦国イベント7選
ここでは、2025年に関西で開催済みの戦国イベント7選を紹介します。
※2025年7月時点での情報です
4.【大阪】道明寺合戦まつり2025
「道明寺合戦まつり2025」は、大阪府藤井寺市で開催された祭りです。会場となる「道明寺」は、豊臣家と江戸幕府が戦った「大坂の夏の陣」の1つ「道明寺の戦い」が繰り広げられた場所です。大阪城の堀が埋められてしまったため、豊臣方は城を出て戦いました。この祭りは、道明寺の戦いから410周年を迎えることを記念して開催されました。
祭りの目玉は、甲冑姿の武者が練り歩く「道明寺武者行列」です。戦いで活躍した真田信繁(幸村)や伊達政宗の姿をした武者が参加しました。
他には、忍者体験ブースや「大坂夏の陣・道明寺合戦ゆかりの武将スタンプラリー」、武将なりきりコーナーが展開されました。
イベント概要
- イベント名:道明寺合戦まつり2025
- 開催地:大阪府藤井寺市道明寺1-16-40 道明寺天満宮 特設会場
- 前回の開催日:2025年5月4日(日・祝)
5.【京都】福知山お城まつり
「福知山お城まつり」は、京都府福知山市で毎年開催されている春の祭りです。福知山城は、織田信長の命により「中国攻め」を行った明智光秀が、丹波国を平定して築城した城です。
祭りのメインイベントである「光秀行列」では、光秀や共侍が城下を練り歩き、自衛隊員扮する「福知山自衛隊毛槍保存会」が演技を披露します。また、「福知山おどりパレード」では地元の盆踊り・福知山おどりを皆で踊ります。
ステージでは、影山ヒロノブさんによるアニソンライブや戦隊ショー、丹波亀山鉄砲隊や京都・長岡京おもてなし武将隊つつじのパフォーマンスも披露されます。さらに「食の祭典」として地元の食が大集合し、福知山の味覚を堪能できます。
イベント概要
- イベント名:福知山お城まつり
- 開催地:京都府福知山市字内記5 福知山城 他
- 前回の開催日:2025年4月5日(土)・6日(日)
6.【京都】醍醐寺「豊太閤花見行列」
「豊太閤花見行列」は、京都市伏見区の醍醐寺で実施されている行事です。醍醐寺は、平安時代から桜の名所として知られ、豊臣秀吉はここで豪華絢爛な宴を催しました。この故事にちなみ、毎年花見行列が開催されています。
当日は、秀吉や北政所・淀殿らに扮した行列が、境内を練り歩きます。醍醐寺では約700本の桜が咲き誇り、枝垂れ桜やソメイヨシノの共演は絵巻物のようです。金堂前の特設舞台では舞楽が披露され、桃山文化を体感できます。
観覧については、一部無料エリアもありますが、より間近で鑑賞したい人は3,000円の特別観覧席がおすすめです。別途拝観料1,500円が必要となります。
イベント概要
- イベント名:醍醐寺「豊太閤花見行列」
- 開催地:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 醍醐寺
- 前回の開催日:2025年4月13日(日)
7.【京都】寺町・阿弥陀寺「信長忌」
「信長忌」は、京都市上京区の「阿弥陀寺」で行われている行事です。本能寺の変が起きた6月2日に毎年開催されています。同寺は、織田家の京都での菩提寺として信長が整備した寺で、本能寺の変の後、信長の遺骸はここで供養・埋葬されたと伝えられています。
「信長忌」の当日は、普段非公開の本堂が特別に公開されます。信長・信忠父子の木像や、本能寺で信長が使用したと伝わる手槍先、明智光秀・豊臣秀吉の書状など、貴重な品々を拝観できます。また、10時から追善法要・塔婆回向が行われます。
特別拝観は予約が必要で、特別拝観冥加料が3,500円となります。一般拝観は予約不要、一般拝観冥加料が1,500円となります。
イベント概要
- イベント名:寺町・阿弥陀寺「信長忌」
- 開催地:京都府京都市上京区寺町今出川上ル鶴山町14 蓮臺山 そう見院 阿弥陀寺
- 前回の開催日:2025年6月2日(月)
参照:信長忌【寺町・阿弥陀寺】|【京都市公式】京都観光Navi
8.【滋賀】近江八幡左義長まつり
「近江八幡左義長まつり」は、滋賀県近江八幡市で開催されている祭りです。毎年3月、日牟禮八幡宮に奉納されます。
左義長祭は、もともと安土城下で開催されており、織田信長も華美な衣装で参加したと記録されています。信長亡き後、豊臣秀次が八幡山に城を築き、城下町には安土の民が移住しました。彼らにより、この地でも左義長が行われるようになりました。
祭りは2日にかけて行われ、1日目は大松明にその年の干支にちなんだ飾りをつけた6mにも及ぶ左義長が10数基、町を勇壮に練り歩きます。これらは小豆や昆布、スルメなどの食材を用いて、2〜3ヶ月かけて制作されます。2日目には「ケンカ」と呼ばれる左義長同士の激突があり、夜には火除け・厄除けの願いをこめて奉火を行います。
イベント概要
- イベント名:近江八幡左義長まつり
- 開催地:滋賀県近江八幡市宮内町257 日牟禮八幡宮
- 前回の開催日:2025年3月15日(土)・16日(日)
9.【滋賀】小谷城戦国まつり
「小谷城戦国まつり」は、滋賀県長浜市で開催されている祭りです。舞台となる小谷城は、浅井長政と織田信長の妹・お市の方の夫婦が居城とした城で、茶々・初・江の浅井三姉妹のふるさとです。信長による浅井氏攻めで落城した後、城は豊臣秀吉に与えられましたが、その後秀吉は長浜城へ移りました。小谷城は廃城となり、現在は城跡が国の史跡となっています。
祭りの見どころは、手作り甲冑をまとった武者行列で、戦国武士が城下町を練り歩きます。地元の園児による和太鼓や国友鉄砲隊による火縄銃演舞、小学生の神輿披露など、多彩なステージも見どころです。模擬店やミニSLなどもあり、家族連れも楽しめます。
イベント概要
- イベント名:小谷城戦国まつり
- 開催地:滋賀県長浜市小谷郡上町139 小谷城戦国歴史資料館前広場
- 前回の開催日:2024年10月6日(日)
参照:小谷城戦国まつり | 長浜・米原・奥びわ湖を楽しむ観光情報サイト
10.【滋賀】甲賀流忍者大祭
「甲賀流忍者大祭」は、滋賀県甲賀市で開催されている祭りです。甲賀流は、三重県の伊賀流と並びもっとも有名な忍術の一派です。織田信長は甲賀流の制圧を試み、傘下に置くことに成功しました。また徳川家康は、本能寺の変の後の「伊賀越」の際に、甲賀流・伊賀流の忍者のサポートにより三河へ帰還し、それ以降彼らを厚く取り立てるようになったとされています。
祭りの目玉は「忍者逃走中」で、忍者に扮したハンターから参加者が逃げ切る競技です。参加対象者は小学生で、小学1・2年生、小学3・4年生、小学5・6年生の3つの部が同時に開催されます。
他にもスナッグゴルフや水口岡山城バルーン、ミニトレインやキッチンカーマルシェなど、さまざまな催しを楽しめます。
イベント概要
- イベント名:甲賀流忍者大祭
- 開催地:滋賀県甲賀市土山町北土山414-2 土山グラウンド及び周辺施設
- 前回の開催日:2024年10月20日(日)
参照:甲賀流忍者大祭 | 甲賀市が誇る日本遺産「忍者」をテーマとした忍者総合イベント
まとめ
関西には、豊臣秀吉や織田信長など、戦国武将にゆかりのある地が多く残されています。戦国時代から脈々と受け継がれてきた伝統的な祭りや、歴史に新たな解釈を加えるフォーラムなど、さまざまなイベントが開催されています。
この記事を参考に、関西の戦国イベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。