【徹底解説】現存天守12城とは?日本に残る貴重な城郭を巡る旅

2025.03.24

日本全国に数多くあるお城の中でも、ひときわ貴重な存在として知られているのが「現存天守」です。これは、江戸時代以前に建てられた天守が奇跡的に残され、現代にまでその姿を伝える、まさに“生きた文化財”とも言える存在です。日本にはこの現存天守がたったの12城しかなく、それぞれが個性豊かで歴史的価値に富んでいます。

この記事では、そんな現存天守12城をひとつずつ丁寧にご紹介し、それぞれの見どころや開催されているイベント、アクセス情報までを詳しくお届けします。あなたもぜひ、現存天守の旅に出かけてみませんか?

現存天守とは?

「現存天守」とは、江戸時代以前に建てられた天守が、戦火や災害、老朽化による取り壊しを免れて、現代までそのままの姿で残されている貴重な建築物のことを指しています。多くの城が明治維新後の廃城令や、第二次世界大戦中の空襲によって失われる中で、当時の姿を今に伝える現存天守は、日本全国でわずか12城しか存在していません。

修復や補強が施されていることはありますが、基本的には当時の木造建築がそのまま使われており、城郭建築としての歴史的価値や美的価値が非常に高く評価されています。これらの天守に登ることで、戦国時代や江戸時代の武将たちが見た風景や感じた空気を体感することができます。

日本に現存する12の天守一覧

松本城(長野県松本市)

  • 築城年/現存天守の完成年:戦国時代後期(1504年頃築城)、1594年頃五重六階の天守が完成

  • 構造・規模:五重六階の層塔型天守。 黒漆塗りの外観から「烏城」とも呼ばれる。 実戦の構造を多く残している。

  • 歴史的背景:当初「深志城」と呼ばれていたが、石川数正が松本城として改修。その後も小笠原氏、戸田氏などによって維持され、明治時代を生き延びた。

  • 注目ポイント

    • 黒壁に映える天守と北アルプスの風景

    • 天守内部の急な階段と狭間(さま)などの戦闘用構造

    • ナイトライトアップや内堀越えの天守のリフレクション

  • 年間イベント情報

    • 国宝城桜まつり(4月上旬):満開の桜とライトアップされた天守を見れる。

    • 太鼓まつり(5月〜6月)演奏披露松本の和太鼓チームが城前で演奏を披露。

    • お城まつり(8月):武者行列や火縄銃演武など、戦国の雰囲気を楽しめる。

    • 冬の松本城ライトアップ(12月〜2月):雪を待った天守が青や白にライトアップ。

  • アクセス・観光情報:JR松本駅から徒歩約15分。 周辺には旧開智学校や縄手通りなどの観光地にも点在。

姫路城(兵庫県姫路市)

  • 築城年/現存天守の完成年:1609年(池田輝政による大改修)

  • 構造・規模:五重六階+地下一階。連立式小天守や渡櫓を多数備えた大規模構造。

  • 歴史的背景:黒田氏、池田氏、本多氏などの居城。戦災や空襲も免れ、1993年に世界文化遺産に登録。

  • 注目ポイント

    • 白漆喰の城壁が青空に映える美しい外観

    • 迷路のような通路、落とし穴・狭間・石落としなどの防御装置

    • 菱の門や化粧櫓などの周辺建築群も必見

  • 年間イベント情報

    • 姫路城夜桜会(4月上旬):夜の特別ライトアップと演奏イベントが開催されます。

    • 姫路お城まつり(5月):大名行列・武者行列・市民パレード市などを挙げた大イベント。

    • 姫路城ファンタジーイルミネーション(夏・冬):城周辺でプロジェクション短縮やライトショーを実施。

    • 秋の観月会(9月中秋):三の丸広場での雅楽演奏。

  • アクセス・観光情報:JR姫路駅から徒歩約15分。城前には好古園、兵庫県立歴史博物館なども併設。

犬山城(愛知県犬山市)

  • 築城年/現存天守の完成年:1537年(織田信康)

  • 構造・規模:四重四階地下二階の望楼型。木曽川沿いの丘に建つ。

  • 歴史的背景:織田信長の叔父・信康により築城され、日本最古の現存木造天守とされる。

  • 注目ポイント

    • 天守から望む木曽川と遠くの山々の絶景

    • 急勾配の階段や狭間などの戦闘設備

    • 国宝指定の価値ある構造と風格

  • 年間イベント情報

    • 犬山城まつり(4月): 豪華絢爛な山車が城下町を巡行。 夜からくり人形も名物。

    • 犬山薪能(9月):犬山城を背景に行われる伝統芸能・薪能(たきぎのう)の公演。

    • 下町ライトアップ(秋・冬):城下町と一体となって夜の幻想的な雰囲気を演出。

  • アクセス・観光情報:名鉄犬山駅から徒歩約15分。城下町散策や犬山成田山など周辺観光も充実。

彦根城(滋賀県彦根市)

  • 築城年/現存天守の完成年:1607年(井伊直継・直孝)

  • 構造・規模: 三重三階の複合望楼型天守。白漆喰と屋根の輝きが美しい。

  • 歴史的背景:関ヶ原の戦い後、徳川四天王の一人・井伊直政の息子が築城。 井伊家の居城として幕末まで続いた。

  • 注目ポイント

    • 天守に登れば湖と市街が一望できる

    • 国の宝に指定され、内部も当時の姿をよく残す

    • 表門や天秤櫓など重要文化財建築が多い

  • 年間イベント情報

    • 彦根城桜まつり(4月):約1200本の桜が天守と堀を彩る。ナイトライトアップも実施。

    • 彦根城築城祭(10月):時代行列・火縄銃演武・ご当地グルメなどコメディなイベント。

    • ひこにゃん登場(通年):人気マスコット「ひこにゃん」が登場し観光客とふれあいができる。

  • アクセス・観光情報:JR彦根駅から徒歩15分。玄宮園・彦根城博物館なども併設。

弘前城(青森県弘前市)

    • 築城年/現存天守の完成年:1611年(天守は1810年復元)

    • 構造・規模: 三重三階の櫓型天守。現存天守の中では比較的新しい部類。

    • 歴史的背景:津軽為信によって築城され、津軽藩の居城として栄えた。幕末の復元天守が今に残る。

    • 注目ポイント

      • 弘前公園内にあり、春は桜、秋は紅葉が美しい

      • 櫓型ながら威風堂々とした佇まい

      • 公園内に移築された武家屋敷や資料館も意見

    • 年間イベント情報

      • 弘前さくらまつり(4月中旬〜下旬):日本有数の桜名所。ソメイヨシノが約2600本、夜桜も絶景。

      • 弘前城雪燈籠まつり(2月):雪像や燈籠が幻想的な雰囲気を演出。天守と雪のコントラストが見事。

      • 弘前城菊と紅葉まつり(10月下旬〜11月上旬):菊人形や紅葉ライトアップ。

    • アクセス・観光情報:JR弘前駅からバスで約10分。徒歩でも約30分。

丸岡城(福井県坂井市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1576年(柴田勝豊)

      • 構造・規模:二重三階の望楼型天守。屋根瓦に石瓦が使われている珍しい構造。

      • 歴史的背景:一時期は地震で倒壊するも、昭和にオリジナルメンバーを用いて復元。

      • 意見ポイント:石瓦の屋根/実戦的な構造/丸岡歴史民俗資料館

      • 年間イベント情報

        • 丸岡城桜まつり(4月)

        • 丸岡古城まつり(10月)

      • アクセス:JR芦原温泉駅からバス約20分

松江城(島根県松江市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1611年(堀尾吉晴)

      • 構造・規模:五重五階+地下一階、望楼型

      • 歴史的背景:保存運動により取り壊しを免れた、山陰地方唯一の国宝天守

      • 監視ポイント:堀川遊覧/板張り黒塗り/釘隠しの装飾

      • 年間イベント情報

        • 松江城桜まつり(3月下旬〜4月上旬)

        • 松江水燈路(10月)

        • お城まつり(11月上旬)

      • アクセス:JR松江駅からバス10分

備中松山城(岡山県高梁市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1683年

      • 構造・規模:二重二階、標高430mの山上にある

      • 歴史的背景:唯一の現存山城。江戸後期まで続く

      • 意見ポイント:雲海スポット/岩盤と石垣/天空の城

      • 年間イベント情報

        • 雲海観賞(10月〜3月早朝)

        • 備中たかはし城まつり(11月)

      • アクセス:備中高梁駅より登山 or シャトルバス

丸亀城(香川県丸亀市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1660年頃

      • 構造・規模:三重三階、最小規模天守、全国一高い石垣(約60m)

      • 歴史の背景:京極氏が整備した堅固な平山城

      • 意見ポイント:高石垣/天守と瀬戸内の眺望/ブームミュージアム

      • 年間イベント情報

        • 丸亀お城まつり(5月)

        • 石垣ライトアップ(通年)

      • アクセス:JR丸亀駅から徒歩15分

松山城(愛媛県松山市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1602年(加藤嘉明)

      • 構造・規模:三重三階、連立式の大天守群

      • 歴史的背景:松平氏の居城。 戦火を免れて良好な状態が保たれた

      • ヒントポイント: ロープウェイアクセス/連立天式守/市街・海の眺望

      • 年間イベント情報

        • 松山春祭り(4月)

        • 夏まつり(8月)

      • アクセス:市電+リフトまたはロープウェイ利用

宇和島城(愛媛県宇和島市)

      • 築城年/現存天守の完成年:1666年(伊達宗利)

      • 構造・規模:三重三階、木造の小型天守

      • 歴史的背景:伊達秀宗が入封し宇和島藩の拠点とした

      • 意見ポイント:宇和島湾の展望/山頂からの眺望/整備された城山公園

      • 年間イベント情報

        • 伊達五十七騎参陣(5月)

        • 天守ライトアップ(春・秋)

      • アクセス:JR宇和島駅から徒歩約20分

高知城(高知県高知市)

        • 築城年/現存天守の完成年:1749年(山内一豊)

        • 構造・規模: 三重六階、現存唯一の本丸御殿付き天守

        • 歴史的背景:土佐藩の拠点として山内一豊が整備

        • 意見ポイント:御殿と天守/城下町展望/城山公園の市民憩いの場

        • 年間イベント情報

          • 土佐のおきゃく(3月)

          • 夏の夜の城まつり(8月)

        • アクセス:とさでん「高知城前」すぐ/日曜市との組み合わせが人気

まとめ|現存天守を巡る旅の魅力

現存する天守12城は、日本の歴史や伝統、そして職人たちの技術が今に息づく貴重な文化遺産です。それぞれの城が持つ築城の背景や戦国武将たちのドラマ、そして時を経てもなお美しさを舞台構造は、日本建築の最高と決着するでしょう。

また、これらの城は観光スポットとしても魅力にあふれ、季節ごとの風景や地域ならではのイベント、祭り、ライトアップなど、多彩な体験を提供させていただきます。

この機会に、現存天守を巡る旅を計画してみてはどうでしょうか?一つの城に宿る物語と出会いながら、日本の美と歴史に思いを馳せられる時間、きっと特別なものになるはずです。

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